ショートリスト

(読み方 : ショートリスト)

ショートリストとは、ロングリストを一定の条件下で絞り込んだリストのことを指す。 絞り込み方としては、事業内容、株主構成、代表者の年齢、地域等での分類が挙げられる。

ショートリストとは

M&Aの初期段階においては、候補となる企業をリストアップすることが必要となる。 ノンネームシートを経て作成される20~40社が選定されたロングリストを元により詳細な調査を実施し、候補企業の絞り込みを行う。 この行程を経て作成されるのがショートリストである。 何度も選定と検討を重ね、最終的には2~5社まで絞り込む。 この行程が経てはじめて企業への直接的なアプローチが始まる。

ショートリストの役割

ショートリストは戦略的にM&Aを進める上で重要な道具である。 ショートリストの役割は大きく分けて以下の2点である。

  • 売り込み先を絞ることで効率的な買い手探しができる
  • 「理想の後継者像」を具体化する
以下個別に確認していく。

売り込み先を絞ることで効率的な買い手探しができる

ショートリストには、売り込みの効率を引き上げる役割がある。 限りある時間や資源の中で、可能性の低い買い手に無駄足を踏むことなく効率的に売り込むためには、ショートリストを作成し、売り込み先を絞る作業は不可欠となる。

「理想の後継者像」を具体化する

ショートリストは実際の企業を見ながら作成するため、作成しているうちに自分がどんな相手とM&Aをしたいのかといったイメージがより具体的に浮かぶようになる。 ショートリストを作るまでは漠然だった想いが、作成をするうちに「この会社に売りたい」「この会社には売りたくない」とより明確になっていく。 このようにショートリスト作りをしていく過程で自分の理想が具体化されていく。

ショートリスト作成手順

ショートリストには明確な作り方はないため、ここでは作成手順の一例を挙げる。

  • 1.自社の強みと弱みを分析する
  • 2.自社の買収ニーズを考える
  • 3.ニーズ別にロングリストの候補を分類する
  • 4.希望・理想の買い手増に合わせて優先度を決める
  • 5.買収ニーズを比較して優先順位を決める

ショートリスト作成時の注意点

情報漏洩に注意

M&Aでは機密情報が頻繁にやり取りされるため、秘密保持契約を締結するまでは企業情報の取り扱いに特に気をつける必要がある。 万が一情報漏洩が起こってしまうと、M&Aが実施できなくなる可能性もあり、広く見れば会社の存続にも関わってくる。 こういったリスクを減らすために、候補企業のリストアップを仲介業者に任せることも手段の一つである。

条件に優先順位をつける

M&Aにおいて、希望と完全に合致する企業を発見できることはほとんどない。 多くの場合、何らかの譲歩をお互いにすることとなる。 そのためショートリスト作成の段階から、交渉の際には絶対に外せない条件をいくつか挙げ、それらに優先順位をつけておくことが交渉の成立においては極めて重要である。 希望買収価格や事業内容の優先度を上げる会社が多い。

定性的な面からも評価する

対象企業のM&A状況や財務状況などに代表される定量的データは判断の基準にし易いため、ショートリスト作成時には重視されることが多い。 確かに定量的なデータは大切なのだが、実際にM&Aを進めていくとなると、経営者同士の価値観や熱意などに代表される定性的な側面も結果に大きく影響してくる。 感覚的な要素を選定基準の一つとして入れておくことは意識しておきたい点である。

ショートリストとロングリストの関係性

先にも述べたように、ショートリストはロングリストを土台として作成される資料である。 ロングリストは基本的に、M&A仲介会社などが提供するノンネームシートを参考にして、関心のある企業を探し作成していく。 将来的に自社にとって有益となる見込みがある相手先候補を抽出する役割を持つ資料であり、企業をリストアップした後は、財務状況などを比較しながら、それぞれ優先順位をつけていく。 ロングリスト作成後は、相手先候補をさらに絞り込むプロセスの実施が必要であり、このときに作成される資料がショートリストである。 ショートリスト作成時には、相手先候補をより細かく調査・分析・検討してさらに絞り込みを行う。

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