ステークホルダー

(読み方 : ステークホルダー)

企業の経営活動の存続や発展に関して関係を有するもの全般を指す。 これは、金銭的な利害関係の発生するものに限られない。 具体的には、株主、従業員、債権者、仕入れ先、得意先、ユーザーだけではなく、地域社会、行政機関等がステークホルダーに含まれるとされている。 企業はステークホルダーとのコミュニケーションを密にとり成長していくことが求められている。

直接的ステークホルダーと間接的ステークホルダー

ステークホルダーについては、その企業への影響度に応じて直接的ステークホルダーと間接的ステークホルダーに分けることができる。 それぞれについて以下に説明する。

直接的ステークホルダー

直接的ステークホルダーとは、投資や貸付、購買行動などで企業に直接的な影響を与え、企業活動の結果によって直接的な利益・不利益を被るステークホルダーのことを指す。 具体的な例としては、株主や従業員、取引先企業、金融機関などがあげられる。

間接的ステークホルダー

間接的ステークホルダーとは、企業からの直接的な影響を受けず、また直接影響を与えない範囲で影響し合うステークホルダーのことを指す。 具体的な例としてあげられるのは、従業員の家族や地域社会、行政機関などがあげられる。

M&Aを行う上でのステークホルダーへの注意点

上記したステークホルダーの他にも顧問契約をしている会計事務所などもステークホルダーであるといえる。 M&Aにおいては、会社の経営主体が変わることなどから、会社のステークホルダーは様々な影響を受ける。 そういった状態を放置すると、従業員や取引先を失うことになりかねず、会社の存続が危うくなる可能性が発生するなど、M&Aの話が頓挫することにもなりかねない。 M&Aを進めるにあたってはステークホルダーへの配慮を十分に行った上でM&Aを実行することが重要である。

従業員に対しての注意点

特に中小企業の場合は、従業員の数が少ないことから、経営者と従業員が近しい関係にあるケースや、経営者の親族が従業員として働いているケースが多くある。 そのような場合は特に自社がM&Aによって売却される、経営者が代わることを知って不安を覚え、場合によっては退職を検討するという懸念が非常に大きい。 特に、M&Aを進めるにあたってはM&Aの実行部隊以外の従業員に対して話が漏れないようにすることが最も重要である。 従業員に対して、意図しない形でM&Aの話が漏れてしまった場合、「会社が倒産するのでは」などの噂が社内外に広がる可能性が高く、従業員の退職が相次いだり、取引先からの信用を失う事態に陥るなど、会社の存続自体が脅かされる危険性もある。 望ましいのはM&Aが成立した後に従業員を集めた説明の場を開くことである。 M&Aにおける買い手側も同席し、M&Aを選択した背景や今後の待遇などの説明を行うことで、従業員の不安を取り除くことが大切である。

取引先に対しての注意点

取引先に対しては、M&Aが確定した後に、売り手側と買い手側が揃って取引先企業を訪問、あるいは挨拶状を送付してお知らせすることが一般的である。 また、取引先と取引基本契約を締結している場合、「通知条項」等の名目で代表者変更や株主変更の事実が通知義務となっていることがある(チェンジオブコントロール条項)。 通知期限や方法が詳細に定められている場合があるため、M&Aを行う際には、あらかじめ取引先との契約書を確認し、定められた内容に沿って対応を行うことが円滑なM&Aにおいては重要である。

金融機関に対しての注意点

M&Aを行うにあたって、メインバンクなど、従来より取引のある金融機関にとっては、経営者の交代は非常に重要である。 金融機関から見て、交代後の経営者に不安や懸念がある場合は、従来通りの取引の継続が難しくなる可能性もある。 一般的にM&Aの最終契約書に売り手側の保証債務解除を定めている場合が多く、融資取引のある金融機関へはM&Aについての情報開示後、速やかに譲渡企業と譲受企業が揃って訪問し、説明を行うのが望ましいといえる。

ステークホルダー資本主義

ステークホルダー資本主義とは、近年重視されているステークホルダーとの関係構築のあり方のことで、企業の活動に関わるすべてのステークホルダーとの関係を重視し、企業活動を通してステークホルダーへの貢献をめざす長期的な企業経営のあり方をいう。 金銭的な利害関係のある株主や従業員だけでなく、行政や地域、社会、環境といった企業を取り巻くすべての相手を含めたステークホルダーとの関係構築を重視する考え方のことである。 近年、企業経営においては、ESGやSDGsといった、財務情報のみでは判断できない、目に見えない資本の価値を、多くのステークホルダーが企業判断の軸として重要視し始めている。 しかしながら、こういった活動の成果をいかに実証し、価値を顕在化させ、企業価値に結び付けていくかについて課題感を持っている企業も多いというのが現状である。

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