クロージング

(読み方 : クロージング)

M&Aにおけるクロージングとは、M&Aの取引が実行されることを表す。 その具体的な手続き等に関しては、M&Aのスキームごとに異なる。

クロージングの重要性

一般的なクロージングのイメージでいうと、売り手と買い手双方の必要なことは完了しているため、取引は簡単に完了するだろうと思いがちである。 しかし、実際のM&Aにおいてのクロージングでは、取引が複雑化に伴って必要な書類や手続き自体が複雑になるため、見落としが発生していることも少なくない。 そのため、十分な準備をした上でのクロージングは、M&Aの取引を行う上で必要になる。

クロージングの期間

クロージングは最終契約を締結した後、一定の期間を空けた上で行うことが一般的である。 実際、最終契約の締結からクロージングまでの期間としては、おおよそ1ヶ月から長くて1年になる。 なぜそれほど時間がかかるかというと、法令に基づいた対応やデューデリジェンスで判明した問題点の改善など、多くの手続きが求められるからである。

M&Aのクロージングの手続き内容

株式譲渡

非上場で株式を発行していない会社が譲渡される場合は、株式の譲渡は双方の意思表示のみで可能であり、株式の交付といった手続きを行う必要はない。 上場会社が譲渡される場合、株式等振替制度によって、株主の権利の管理が証券保管振替機構及び証券会社の口座を介して電子的に行われる。

事業譲渡

M&Aで会社を事業譲渡する場合、クロージングのときには特別な手続きが必要になることはない。 そのため、資産を譲渡するための手続きや契約の移行のための手続きがクロージングということになる。

合併

合併に関しては、吸収合併と新設合併がある。 吸収合併がM&Aの取引として行われる場合は法律上での特別な手続きはない。 新設合併がM&Aの取引として行われる場合は、譲渡するときに設立登記の申請が必要になる。

会社分割

会社分割に関しても、吸収分割と新設分割の2種類のものがある。 そして、吸収分割がM&Aの取引として行われる場合は法律上での特別な手続きはない。 新設分割がM&Aの取引として行われる場合は譲渡するときに設立登記の申請が必要になる。 また、新設分割は、M&Aの取引で現金を対価として支払うことはできない。

株式交換・株式移転

株式交換がM&Aの取引として行われる場合は法律上での特別な手続きはない。 株式移転がM&Aの取引として行われる場合は、設立登記の申請が必要になる。 また、株式移転は、M&Aの取引で現金を対価として支払うことはできない。

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