VWAP

(読み方 : ブイワップ)

VWAPとは、Volume Wighted Average Price の略称である。 日本語で表すと「出来高加重平均価格」である。 一般的には「ブイワップ」と呼ばれ、株式の投資で使われる用語であり、その1日のバラバラな株価を平均した約定価格を示すものである。 VWAPが銘柄の価格よりも大きな数値であれば、その日その銘柄を買った人の損益を合計するとプラスになっており、反対に小さな数値になれば損益の合計はマイナスになってしまう。

VWAPの計算式

VWAPの計算は以下のように行うことで求めることができる。

  • VWAP=1日の総売買代金 ÷ 1日の総出来高
  • 1日の総出来高とは約定価格と約定数量を1日分足した数を掛け合わせることで求めることができる。

    VWAPの特徴

    大口取引を行う投資家が活用するテクニカル指標である

    VWAPの指標は機関投資家などの大口取引を行う投資家が利用することが多い。 なぜなら、大口取引をするということは1回の取引に対して動くお金の額が大きくなり、株価へ与える影響もその分大きくなるからだ。 このような取引では市場が混乱しないために、機関投資家などの投資家はVWAPの数値を割り出すことで、その日の平均約定価格を確認し、市場平均で売買を行うのである。

    値動きがわずかである

    VWAPという数値は上記にもあるが約定価格の平均値である。 そのため、一般的なテクニカル指標とは異なり、チャート上で激しく上下するような指標ではない。 もし、市場において株価の上下が大きいときがあったとしてもVWAP自体が表すのは平均価格なので、大きく動くという可能性はほぼない。

    1日だけの指標である

    テクニカル指標というものは基本的には、分足、週足といったように止めどなく連続性を含む場合がほとんどである。 ただ、VWAPは1日に限定されているため、連続性のない指標となっている。

    VWAPの機能

    VWAPのテクニカル指標としての機能は2つある。

    株価の相場の上下の予測が可能

    VWAPが株価よりも数値が大きいのか小さいのかでその銘柄を買った人のその日の損益の合計がプラスかマイナスかが分かる。 たとえば株価がVWAPより大きい数値となれば短期的に強含みとなり、買い目線が続くと考えられる。 一方、株価がVWAPより小さい数値となれば弱含みとなり、売り目線もしくは買わないという傾向になると考えられるため、株価は軟調に推移すると考えられる。

    抵抗線・支持線として機能

    VWAPは、それらの付近に株価が近づくと支持線・反発する抵抗線としても機能を果たす。 VWAP付近に向けて価格が下がったところは、多くの資金が使われやすいため、価格の再上昇が見込まれ、価格の支持線として目安になることもある。 支持線とは逆の考え方で、価格がVWAP付近まで上昇すると損失を覚悟する投資家が売り注文に走る傾向にあるため、抵抗線の役割を果たす可能性が高い。

    注意点:取引量による適用の限界

    VWAPは、出来高に基づいた加重平均価格であるため、取引量が多い時間帯と少ない時間帯で異なる影響を受ける。 たとえば、取引量が少ない時間帯ではVWAPの信頼性が低下し、逆に取引量が多い時間帯では、より市場全体の動向を正確に反映する。 そのため、VWAPを用いた取引では、取引量が少ない時間帯では正確性に留意する必要がある。

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