株主代表訴訟

(読み方 : カブヌシダイヒョウソショウ)

株主代表訴訟とは、会社法の第847条で「企業の経営者である取締役等の違法行為や定款違反、経営判断の誤りによって企業に損害が生じた場合、企業が該当の取締役等の責任を追及しない場合は、株主が代わりに違法行為を起こした役員に責任を追及できる」というものである。

株主代表訴訟で訴えることができる相手は以下の役職に就いている人である。 普通の従業員に対して訴えを起こすということはできない。

  • 発起人
  • 会社を設立したときの取締役
  • 会社を設立したときの監査役
  • 取締役や監査役、執行役等の役員
  • 清算人

役員が負う責任

会社に対する責任

会社から経営を任されている役員には5つの義務がある。

  • 忠実義務
  • 競業避止義務
  • 善管注意義務
  • 利益相反取引の制限
  • 監視・監督義務
役員が責任を問われてしまうのは上記のような義務を果たすことがなく、その上会社への損失を与えた場合である。

会社以外のものへの責任

役員が会社以外のもので責任を負うものとしては、不法行為への責任および金融商品取引法で定められていることについてである。 具体的には、代金を支払えなくなった取引先への責任やハラスメントの被害者への責任などが含まれる。

なお、株主自身やその他の人が不正な利益を得るために株主代表訴訟を起こすことも考えられるが、このようなことに関しては「不正な利益を目的とした訴訟は提起できない」と会社法に記載されているため、株主らが不正な利益を求めて株主代表訴訟を起こすことはできず、役員などが不正を起こしたときだけに株主代表訴訟を起こすことができるようになっている。

株主代表訴訟の流れ

まず、株主代表訴訟を起こすためには訴訟を起こそうとしている会社の株を6ヶ月以上保有している必要がある。 その上で、訴訟を行う前に不正などによる役員の責任を訴求して追及してもらう書面の提出が会社に必要である。 その問題を解決するために会社が60日の間に何も動きを起こすことがなければ、株主代表訴訟に発展させることができる。

  1. 提訴前
  2. 上記にあるが、6ヶ月以上株を保有している株主が不正などに対して役員の責任を訴求して追及してもらう書面の提出が会社に必要である。

  3. 裁判所について
  4. 株主代表訴訟は会社の本店所在地の地方裁判所に提起することが必要である。 他の地方の店舗などで起こった問題に関してもその会社の本店所在地の裁判所に提起することが必要である。

  5. 訴訟手数料の納付
  6. 株主代表訴訟の手数料は一律13,000円である。 この金額以上の訴訟手数料がかかることはない。

  7. 訴訟することの告知
  8. 株主は、会社へ訴訟をすることを決めた場合、その会社に対して事前に告知することが必要になる。

  9. 判決
  10. 株主が勝訴した場合、原告の株主が賠償金を受け取ることはできない。 勝訴した場合は賠償金を会社側に支払うことのみを要求することができる。 ただ、裁判費用に関しては会社側に請求し、受け取ることが可能である。 株主が敗訴した場合は、原告が会社に対して損害賠償を支払う責任を負うことになる。

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