株式譲渡

(読み方 : カブシキジョウト)

売却企業の株式を買収企業に譲渡することで、企業を承継させる手法を指す。 特に中小企業のM&Aでは一般的に利用される手法でもあり、売却企業の負債なども含めて承継することが特徴的である。

M&Aの各種スキームの特徴

株式譲渡

上述した通り。

事業譲渡

企業が運営している事業の全部あるいは一部を切り出して、譲渡する手法を指す。 事業には、知的財産やブランド、顧客リスト、取引先といった無形資産を含む様々な事業用資産が譲渡対象となる。 しかし、事業に紐づく権利義務に関しては、売り手買い手同士の個別契約となる。 また、従業員との雇用契約についても、譲渡企業と従業員の同意を得る必要がある。

会社分割

会社の全部あるいは一部の事業を切り出し、別会社に移転する手法を指す。 一般的には、第三者承継に活用され、企業再編を目的とすることが多い。 事業に紐づく権利義務は移転先の会社にすべて引き継がれる。 また、移転先を新設会社とするか、既存会社とするかによってそれぞれ名称が変わる。 移転先を新設会社にする場合は「新設分割」、移転先を既存事業とする場合は「吸収分割」となる。

株式交換

発行済株式の全部を他の企業に取得させる手法を指す。 取得された企業は完全子会社、取得した企業を完全親会社と呼ぶ。 完全子会社となった企業はその対価として完全親会社の株式を取得することが可能となる。

株式移転

企業が単独あるいは複数で完全親会社を設立し、既存企業の株式をその親会社にすべて移転し、既存企業を子会社化することを指す。 その対価として親会社が発行する株式の割り当てを受けることができる。

株式交付

子会社化するために必要な対価として、自社株式の交付を行う手法を指す。 また、株式交付は「会社法2条32号の2」で認められた交付制度である。

合併

2つ以上の企業が一つの企業となることを指す。 合併によって消滅した企業に紐づく財産や権利義務のすべてが合併後の新設企業に引き継がれる。

第三者割当増資

新たに株式を発行することで、資金を調達する「新株発行増資」の手法の一つである。 割り当て先を指定することができるため、M&Aにおいて買収企業を指定して、会社を売却する場合もある。 M&Aで用いられるメリットとしては、手続きが比較的容易で、スピーディーにM&Aを進めることができる点である。

MBO

会社の経営陣が自社株を取得することで、オーナー経営者になることを指す。 M&Aで用いられるメリットとしては、経営にかかる意思決定のスピードを上げられることである。

株式譲渡を行うメリット

売り手側のメリット

自社の株式をすぐに現金化できる点がメリットとしてあげられる。 非上場企業の場合、株式の流動性が低く市場での取引は難しい。 しかし、株式譲渡を行うことで、取引が可能になるのである。 また、譲渡益にかかる税率が低いことや手続きが比較的簡単な点がメリットとしてあげられる。

買い手側のメリット

譲渡対象の範囲が広いことがメリットである。 例えば事業譲渡などでは、その事業に紐づかない権利などは譲渡対象外である。 しかし、株式譲渡であれば会社の経営権だけでなく、取引契約や従業員、許認可など様々な財産を取得することができる。

株式譲渡を行うデメリット

売り手側のデメリット

株式譲渡では、負債もそのまま引き継がれてしまう。 そのため、負債額が大きくリスクの高い状態であれば買い手が見つからないというデメリットがあげられる。 また、株主が分散している場合は、株式を集約する必要があり労力が必要となる。 株式譲渡で子会社化した場合、取引先からの心象が悪くなったり、従業員が混乱する可能性もある。

買い手側のデメリット

負債などの負の財産を引き継がなければならない点がデメリットとしてあげられる。 また、リスクをできる限り少なくするためにデューデリジェンスを行うことが一般 的であり、高いコストを支払う必要がある。 契約の確約が無い状態で、交渉段階から高いコストや労力が必要になるため、デメリットになる可能性がある。

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