LBO
(読み方 : エルビーオー)
レバレッジドバイアウト(LBO)とは、株式の買い取りに当たって必要な資金の大半を、被買収企業の資産や将来のキャッシュフローを担保にした負債で調達して買収することである。 例えば、ある会社を買収することにより将来1,500億円のキャッシュの獲得が見込まれている場合、これを担保に1,500億円を借入れ、その資金を用いて買収するという手法である。元利金の返済は、買収後に得られるキャッシュにより支払われることになる。 レバレッジドバイアウトの長所と短所は、以下のとおりである。 長所:買収のために必要な資金なしで買収が実行可能である 短所:存続会社には多額の負債が引き継がれることになり、財務リスクが増大する
LBOにかかわる会社・組織
LBOにかかわる主な会社・組織には以下のようなものが挙げられる。 ・譲渡企業 ・譲受企業 ・金融機関 ・SPC(特別目的会社) ・PEファンド ・コンサルティング会社
MBO・EBOとの違い
MBOとは、Management Buy Outの略で経営陣による買収のことを指す。 一方、EBOとはEmployeeBuyOutの略で会社の従業員が、金融機関等から借入を行い対象会社を買収する取引のことをいう。 MBO・EBOとLBOには、買収者が社内の者か、第三者なのかという違いがある。
MBOの際にLBOが利用されることが多い理由
MBOは、企業の経営者や特定の事業部門の責任者が、その企業や事業部門を買収することであるが、企業の経営者や事業部門の責任者は、買収するための資金を持っていないことが多い。 そのため、買収するための方法としてLBOが用いられることが多い。 これは、 LBOには、買収のために必要な資金なしで買収が実行可能というメリットがあるからである。
LBOの流れ
①SPCを設立する
LBOにおける買手企業はSPCを設立し、買手企業と融資をした金融機関はSPCに買収のための資金を投入する。 SPCの設立後、LBOについての手続きは原則SPCを通して実行される。
②金融機関などから資金調達する
買収対象企業を買収することで得られる収益や資産を明確にすることで資金調達をする。 買収後の返済の目処が立たなければ融資は受けれないため、LBOしてまで買収するべきなのか検討すべきである。
③企業の買収を実行する
買手企業は、LBO対象企業の100%の株式取得を目指してM&Aを実行する。
LBOが完了した場合には、SPCが親会社、買収対象企業が完全子会社にという図式になる。
④買収対象企業とSPCを合併する
LBO対象企業とSPCを合併させることによってSPCは消滅し、多額の債務はLBO対象企業へ移ることになる。 そのため、ここからLBO対象企業が金融機関などに対して返済を行うことになる。
⑤融資先に借入金を返済する
LBOされた企業は銀行などの金融機関に対して借入金の返済を実施する。
LBOの事例
有名な企業が関与した具体的なLBOの事例について紹介する。
ソフトバンクによる、ボーダフォン日本法人に対するLBO
2006年、ソフトバンク株式会社は、ボーダフォングループの日本法人を1兆7,500億円で買収した。 これによりソフトバンクの資金調達額は1兆円になり、多額の負債を抱えることとなったが、ソフトバンクはボーダフォンの日本法人が保有している設備を活用することで携帯電話市場に進出した。 この買収で携帯電話市場への新規参入を考えていたソフトバンクは、既に成熟していた2G・3Gのインフラ・サービス・ブランドなどを入手することでスピーディーなビジネス展開を図っていた。 その当時ボーダフォンは携帯電話事業が不調であり、次年度の業績予測を下方修正しており、海外事業を手放すという話も報じられていた。 携帯電話のような通信ビジネスは顧客の契約期間が長期にわたるため、一定の収益が見込めむことができ、LBOに向いているビジネスともいえる。
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